NHKで、多胎児へのサポートが足りない問題を取り上げていた。
睡眠不足で、疲労が溜まり、心が沈み、心が壊れてしまう。
シッターは価格が高く、夫は仕事を休めない、実家は遠い。
社会のサポートがもっと必要だ。
ざっくり、このような内容だった。
私は多胎児の親だが、それぞれの課題に、解決策を思いつく。
それはなにより、心に余裕を持てる恵まれた環境で子育てをしたからだろう。
いろいろな制度やサポートを調べることができたし、いくつかは活用もできた。
まずは育休をとった。
労働者の権利であるし、雇用保険からかなりの額の補助をうけられるし、
自信をもって上司に説明し、同僚に理解を得ることができた。
市のサポートで、保健師の訪問を受けた。
民生委員の定期訪問も申し込み、万が一の精神的トラブルにも対策を講じた。
子育て支援センターを活用した。
民間のシッターよりも安く子供の面倒をみてくれるし、
買い物や、なんなら昼寝をしたいという正直なリクエストにも、快く応じてくれた。
支援センターのスタッフの方は、1時間の昼寝が精神的にどれだけ大切か、
きっと身にしみてわかってくださっているのだ。
実はサポートはそこそこ足りているとするならば、
社会のサポートが足りないと感じている人には、本当は何が必要なんだろうか。
鬱や精神病は、誰でもかかる可能性がある心の風邪だそうだ。
ただし体の風邪といっしょで、ひきやすいひととひきにくい人がいる。
もっというと、風邪よりずっと治りにくく症状が重い病気なんだろう。
動けない病人が、自分で医者を探せるだろうか。
ましてや、未知の病気の原因を探り社会保障制度を調べそれを活用できるだろうか。
そう想像したとき、本当に必要なのはプッシュ型のサポートなんだろうと思う。
これは多胎児に限らず、ネグレクト、いじめ、ブラック企業、
現代をとりまく精神的な問題すべての話だ。
今の社会では、そのようなひとつひとつの精神的な問題に対し、
それぞれの原因に応じた別のサポートしかできない。
ブラック企業といじめとネグレクトでは、サポートの窓口がちがう。
それは効率が悪いと思う。
これからの時代に求めらるものはなにか。
「心が病気になりやすい人」をピックアップし、
その人がなんらかの問題に接触する前に、安心してもらうこと。
そして必要なサポートの情報をプッシュで提供し、誰かがきちんと関わること。
これが、一般化された、心のサポートだと思う。
心が弱い人は、どれくらいの割合で居るんだろうか。
体感としては、風邪を引きやすい人よりも多く居ると思う。
情報化社会、SNSの時代、データを(合意のもとで)活用すれば、
心が弱い人のピックアップは十分可能なのではないだろうか。
そしてまた、そのような人がどんな問題に直面しているのか、
個人の自発的な通院やカウンセリングに頼らず、ピックアップできるのではないか。
おせっかいかもしれない、余計なお世話かもしれない。
しかし、おせっかいや余計なお世話こそが、
自殺や子供を殺すと言った、最悪の事態を回避する最大の薬なんじゃないだろうか。
社会的サポートは、なんのためにやるのか。
必要な人に人間らしい生活をしてもらうため。
必要な人は誰か。
0 件のコメント:
コメントを投稿